駐日大使館員の雪国ツアー2011

 

駐日大使館員の雪国ツアー2011

 

平成23年2月5日~6日、駐日大使3名、ほか大使館員・ご家族35名(のべ14カ国、38名)を新潟県南魚沼市にお連れして、日本の雪国を体験するツアーを実施しました(主催:南魚沼市観光協会、共催:南魚沼市、旅館龍言、国際交流サービス協会、協賛:六日町八海山スキー場)。一面白銀に覆われた日本有数の豪雪地帯で、雪の中で育まれてきたこの地の伝統・文化に触れたり、青空のもとでスキーを楽しんだりして、参加者皆さんが雪国を満喫した2日間でした。

 

ツアー一行が乗ったバスが群馬県との境にある関越トンネルを抜けると、車窓の景色は劇的に一変し、見渡す限り本物の雪国に飛び込みました。今年は例年になく降雪が続いた南魚沼市では、至る所で参加者を圧倒する雪また雪に出迎えられました。たっぷりと雪深いこの地を訪ねるこのツアーは、今後より多くの外国人のお客様を当地に招くことができるようになる足掛かり作りの一環として、地域の方々からの協力を得て催行されました。

 

 

ツアー一行は、かつて宿場町として栄えた街並みを町ぐるみで再現したレトロな外観の『牧之(ぼくし)通り』に足を運び、雪国の歴史と文化を色濃く残した黒と白を基調とした民家や商家が並ぶ中を地元のガイドさんの案内によりゆっくりと散策しました。途中立ち寄った店では、日本酒の利き酒に興じたり、民芸品やひな人形に囲まれて着物を羽織って記念撮影をしたりして過ごしました。

山深き村に営々と歴史を刻んできた禅寺『雲洞庵』では、近世寺院建築のなかでも優れて文化的価値が高い「本堂」をはじめとする建物を巡り、寺が守ってきた多数の仏像、仏具、書簡なども間近に見学しました。

200~250年前の庄屋・名主の屋敷を移築した建物から成る旅館『龍言』では、古木の堅牢(けんろう)さとぬくもりを醸すたたずまいや、館内に多数配されたいにしえの調度品に本格的な日本情緒を満喫しました。井口一郎南魚沼市長に迎えられての食事、餅つき、三味線&唄、方言語りのパフォーマンスなどの宿でのおもてなしにも、多くの方が喜ばれていました。

 

前夜夕食時に試飲した地元の名酒「八海山」を製造する『八海醸造』の醸造所を訪ねました。ビデオでおおよその製造工程を把握してから、実際に工場で米が日本酒に変わる工程をたどり、多くの参加者が日本酒への興味を更に深めた様子でした。

『六日町八海山スキー場』では、スキー経験者には各自で滑りを楽しんでいただく一方、スキー場に来るのが初めての参加者にもスキーのレッスンクラスを設けて体験してもらいました。すぐに転んでしまって大変ご苦労されている方もいましたが、1人でリフトに乗って滑り降りてこられるほどに上達が目覚ましい方もいて、参加者それぞれに充実した良い経験ができたようです。

スキーをされない参加者はロープウエーでゲレンデ最上部に登り、恵まれた晴天のもとで彼方まで見渡せる広大なパノラマを堪能しました。その後、特殊な白絵具により「白の世界」を表現した絵画が展示されている『トミオカホワイト美術館』、荘厳な彫刻・絵画・漆喰(しっくい)細工の施された『西福寺開山堂』を巡るミニツアーを催しました。

 

 

今回のツアー参加者は、本物の雪国の中での苦労や底冷えの寒さを身をもって体験し、そして、外国人に慣れていなくてもできるだけのおもてなしを尽くそうとする人々の温かい心持ちに行く先々で接することができました。越後の地での素敵な思い出を持ち帰り、お知り合いの方々とお話ししていただければと願います。

(このツアーの模様は、「新潟日報」2011年2月8日朝刊でも紹介されました。)

 

観光経済新聞2月19日号に掲載されました。