駐日各国大使館員の「奥浜名湖地域観光体験」ツアー
駐日各国大使館員・家族の「奥浜名湖地域観光体験」ツアー
当協会は平成27年12月05日(土)~06日(日)の週末に、駐日各国大使館員・家族を静岡県へ招待し、「奥浜名湖地域」を訪ねるツアーを開催しました。これは奥浜名湖商工会平成27年度小規模事業者地域力活用新事業全国展開支援事業「『日本の原風景・食・歴史を訪ねて』奥浜名湖外国人集客プログラム」の一環として、当協会が商工会メンバーに対する事前のセミナー、ツアー企画立案のコーディネート、ツアーの募集・運営を担当して開催したものです。
ツアーにはアゼルバイジャン、アメリカ、アルジェリア、インド、オーストラリア、ギリシャ、シリア、チリ、ドイツ、パラオ、リトアニアの11カ国およびEU代表部から大使2名を含む大使館員および家族計32名が参加しました。
当日は東京からバスで東名、新東名高速経由で三ケ日インターに向かい、休憩を取りながらおよそ3時間半のドライブを楽しみました。三ケ日到着時には、三ケ日インターそばの土産物店「勝美センター」にて商工会関係者が出迎え、浜名湖のウナギ製品を振る舞い、商工会を代表して松嵜哲奥浜名湖商工会副会長が歓迎の挨拶をしました。
その後1日目は三ケ日町と気賀町を中心に視察。
まず三ケ日みかんを飼料に混ぜて育てた三ケ日牛専門焼き肉店「三愛」でランチを食べました。三ヶ日牛がヘルシーな理由や美味しい食べ方などを事前に説明したので、参加者は皆大変満足した様子でした。またベジタリアンなどの食事制限がある参加者には別メニューを用意しました。
食事の後は、最高品質のみかんを生産している「マル敬」外山農園にてみかん狩りを楽しみました。こちらでも初めに三ケ日みかんの特徴や栽培法を農園の外山紘之氏から紹介し、ハサミを使ったみかんの切り方と美味しいみかんの選び方を習った後、みかん畑の温かい陽光に包まれてみかん狩りを満喫しました。
みかんの収穫を体験した後は気賀町に移動し、江戸時代の関所跡を復元した気賀関所を訪れました。気賀関所では2グループに分かれて、交替で関所と地域の歴史を学ぶ語り部の英語による講演と、お姫様や侍、忍者などに変身する着替え体験を楽しみました。子供たちは忍者になりきってはしゃぎ回り、大人も思い思いの衣装でしばしの間江戸時代へのタイムスリップを楽しんでいました。
夕食は三ケ日町で人気の居酒屋「安愚楽」での食事となりました。居酒屋で必ず出される「付きだし」は個々の食事制限に合わせて準備し、その他の食事は英語メニューを見ながら、各自好きなものをオーダーしました。32名が自由にオーダーしたので、お店の方もアシストしたスタッフも大変でしたが、参加者は食べたいものが食べられて大変満足したようです。商工会関係者との交流の機会も持ち、とても和やかな夕食会となりました。
2日目は車両1両だけのローカル列車「天竜浜名湖線」の試乗から始まりました。三ケ日駅を出発し気賀駅までの20分ほどの乗車体験でしたが、イヤホンガイドを利用して地元の語り部が英語で車窓からの風景などを紹介したため、参加者は皆興味深そうに周りの景色を眺めていました。
天浜線を気賀駅で降り、この日は引佐町を視察。
最初に井伊家の菩提寺として長い歴史がある「龍潭寺」を訪問しました。武藤宗甫住職に寺の内部をご案内いただきながら、2017年の大河ドラマで主人公となる井伊家の女城主直虎や寺の歴史のお話を伺いました。特に有名な小堀遠州作の本堂裏庭では、語り部が解説する石組の意味などを熱心に聞きながら鑑賞しました。
2日目のランチは引佐町で養殖されたキジを使った料理で有名な「きじ亭」で、参加者は初めてのきじ肉を刺身や鍋で堪能しました。もちろん肉類が食べられない食事制限のある方には、特別メニューを用意しました。
昼食の後訪れた東海地方随一の規模を誇る鍾乳洞「竜ヶ岩洞」では、2グループに分かれて総延長1,046mのうち一般公開されている全長400mを巡りました。ライトに照らされて白、緑、ゴールドに輝くいろいろな形の鍾乳石を眺めながら地底探検を楽しんだ後、資料館においてオーナーである戸田達也社長から竜ヶ岩洞の歴史などを説明していただきました。
最後の訪問地であった竜ヶ岩洞では、見学終了後引佐地域の美味しいミルクでできたジェラートを試食し、地産品の買い物も楽しみました。
アンケートの回答によると、ツアー全体について参加者の93%が「Very good」と評価しており、観光事業者を含む商工会関係者が自分たちの手で作り上げたツアーの満足度の高さが証明されました。
特に良かった点として、筆記式の設問に対する回答の中で訪問先に関して特に目立ったのは、「みかん狩り」でした。それに続く特に良かったものとして、「竜ヶ岩洞」、「龍潭寺」、「気賀関所」などがあげられていました。また訪問先以外では「ガイド・通訳」に感謝する言葉がみかん狩り以上に多く、同時に運営に関わった「スタッフ」の温かいおもてなしが高く評価されていました。更に「歴史」という言葉も随所に見られ、知的レベルが高く好奇心も旺盛な大人の参加者にとって、地域の歴史を分りやすく伝えたことで満足感が上がったと考えられます。
みかん狩りを楽しんだ後地元スタッフと一緒に記念写真