駐日各国大使館員「墨絵ワークショップ」
平成29年10月1日(日)、六本木の国際文化会館において、駐日各国の外交官・家族等16名(9カ国)が参加して『墨絵ワークショップ』を開催しました。このワークショップは、国際交流サービス協会が米国人墨絵画家ジム・ハサウェイ氏を講師に招いて実施したものです。
まず初めに、ジム・ハサウェイ氏がパワーポイントを使って「墨絵とは何か」という初心者にも分かりやすい講演を行いました。道具の説明に始まり、墨絵の歴史、代表的な作家、中国と日本の墨絵の違いや西洋画と墨絵の根本的な違いなどを代表的な作品の写真を見せながら説明しました。
講演の後は、実際に参加者自身が筆と墨で描いてみるワークショップです。これから使う道具の種類、墨の濃さの調整、筆の使い方、筆使いによる墨の濃淡の付け方など、初めて見る墨絵の道具や技術について、参加者は皆真剣な表情で学んでいました。
初めは直線を描く練習をして、墨の濃さ、にじみ、かすれなどを体験し、それを濃さの違う墨や、太さの違う筆で同じように体験しました。「線が墨絵の命です」と講師は説明し、直線の次は曲線や丸、四角などの図形を描く練習をしました。しばらく黙々と練習した後、ハサウェイ氏は「それでは竹を描きましょう」と言って、竹の幹と葉の描き方をプロジェクターで映した墨絵を使って紹介しました。簡単そうで難しい竹の墨絵を練習する参加者のテーブルを巡回しながら、ハサウェイ氏はその場で実演をして手本を見せました。
竹の次は梅を練習しました。練習用の半紙で何枚も練習したあとで、ハサウェイ氏が最後に「それでは色紙に練習の成果を描きましょう」と参加者に呼びかけましたが、皆さんまだ自信がない表情でした。講師は笑いながら「でははがきはどうですか?」と促し、何名かは2時間の練習とは思えない素敵な竹や梅をはがきに描き上げました。
最後は各自「今日の最高傑作」を掲げて記念撮影。皆さんとても満足そうでした。
墨絵道具セットとハサウェイ氏が用意した墨絵の描き方テキストを持ち帰った大使館員の皆さんは、きっとご自宅でも墨絵の世界を楽しんでいることでしょう。
ジム・ハサウェイ氏プロフィール
ニューヨーク大学で美学・美術史を専攻し、ブルックリン大学で修士課程修了。1989年来日し墨絵を学ぶ。現在多摩美術大学・東京家政大学・獨協大学非常勤講師、多摩大学客員准教授として活躍中。
ホームページ:http://www.jimhathawayink.com/