駐日各国大使の高知県視察事業を支援

 

駐日各国大使の高知県視察事業を支援

 

 外務省と高知県の共催で平成30年10月25日~26日の2日間、「駐日各国大使の高知県視察」が実施され、当協会はこの事業を支援しました。
 この視察は、外務省と地方自治体との連携強化の一環として、駐日各国大使に地方の魅力や自然・産業・文化を発信すると同時に、我が国の自然や伝統文化についての理解と親近感を高めることを目的として実施されてきました。高知県における防災体制の先進性や持続可能な漁業の取り組み、世界に誇る技術や文化などを各国にアピールする機会となりました。

 

 最初の視察先は、四国八十八箇所霊場第三十一番札所『竹林寺』でした。住職から四国遍路や“お接待”についての説明を受け、歴史的な重みのある美しい境内を散策しました。その後、高知城歴史博物館で、江戸時代からの天守が現存する12城の1つ、高知城を仰ぎ見ながら昼食をとりました。

竹林寺 高知県立紙産業技術センター

 高知県の紙産業は、手すき和紙として有名な「土佐和紙」から始まり、1,000年以上の歴史を持つ県の主要な産業の1つです。午後は、高機能な紙の開発や、国内外の文化財の修復などの技術相談・試験を行う『高知県立紙産業技術センター』を訪問して、研究室、各種機器を視察し、伝統分野から先端産業まで紙全般を対象とする県の紙産業支援の実例を学びました。その後『いの町紙博物館』で、伝統的工芸品の歴史、製造工程の展示を見学し、手すき和紙づくりを体験しました。
 名水に恵まれた高知県では各地に酒蔵があり、高知県産の日本酒は全国でも銘酒として人気があります。その1つ『司牡丹酒造』がある佐川町を訪ね、白壁の蔵が連なる美しい景観を楽しむとともに、日本酒の製造工程の説明を受けながら仕込み蔵などの施設を視察しました。
 宿泊地の高知市において開催された尾﨑正直高知県知事主催 歓迎レセプションでは、夏の名物「よさこい演舞」を鑑賞し、出席の皆さんも手に持つ鳴子で拍子を取りながら踊るなど、県内の行政・産業界を代表する方々と大使との間での交流が盛大に行われました。

いの町紙博物館 司牡丹酒造

 漁業が中心産業で、「かつおの町」として知られる漁師町・中土佐町は太平洋に面し、早くから津波に対する防災事業が展開されてきました。2日目午前は、『第1号津波避難タワー』(純平タワー)のスロープを登り、町が海に接する様子を眺めながら、池田洋光町長から町の取り組み、タワーの工夫について説明を受けました。漁港の市場では、伝統的なかつおの漁法(一本釣り)や、魚を傷めにくくする最新の冷蔵方法などについてのプレゼンを受け、漁師が実際に使用する竿を持って一本釣りを模擬体験しました。かつおを釣る際に漁船船首から散水される様子などを間近に見た後、交流拠点エリアの1つとして町が開設した『道の駅なかとさ』を視察しました。

第1号津波避難タワー(純平タワー) 漁港での一本釣りさお振り体験

 儀典長主催昼食会場の『黒潮本陣』では、中庭で地元名物のかつおのわら焼きを見物し、「かつおのたたき」をはじめとした新鮮な地元産の海の幸を味わいました。
 高知市内に移動し、復旧機材や救助用具を開発する『高知丸高』を訪ね、参集した県内の防災関連諸企業により開発・商品化例が多数紹介されました。隣接の展示場で実物を見学して、官民が協力して防災・減災力を高めるために取り組んでいる事例を学びました。その後、『種崎地区 舟倉津波避難センター』では、地域住民の共助で災害対策を行う自主防災組織のリーダーや、「世界津波の日 2017 高校生島サミットin沖縄」に参加した県立中村高校の生徒からの説明を受けた後、質疑応答・意見交換が行われました。

高知丸高 種崎地区 舟倉津波避難センター

 

 当協会は、本視察事業の円滑な進行に寄与するため、準備段階から外務省儀典官室と連携して、航空券の予約・調整、宗教などによる食事制限に関するメニューの調整、当日の添乗などを通じて、駐日外交団の対日理解と地方との交流促進に貢献しました。

 

 

参加国(駐日各国大使夫妻等14カ国16名)
ミクロネシア、エルサルバドル、トンガ、パラオ、サモア、コソボ、コロンビア、パキスタン、エジプト、ホンジュラス、リトアニア、イラク、モルディブ、ニカラグアの各大使 (プロトコール順)