駐日各国大使の福島県視察事業を支援

 

 

駐日各国大使の福島県視察事業を支援

 

外務省と福島県の共催で平成27年10月22日~23日の2日間、「駐日各国大使の福島県視察」が実施され、当協会もこの事業を支援しました。

この視察は、東日本大震災における地震、津波により甚大な被害を受けた福島県を訪れ、駐日各国大使に復興の状況を理解していただき、福島県について正確な情報を本国に発信していただく契機とするために開催されました。

 

最初の視察先は、震災で延べ160メートルにわたって崩落した石垣を修復している「小峰城」でした。地震に強い石垣とするために盛土部を補強し、7千個の石を元の場所に、造られた当時の手法を用いて組み上げるという作業について白河市職員から説明を受けました。

 

小峰城 修復中の石垣

大木代吉本店 被害状況の説明

 

午後は、地震によって大きな被害を受けた蔵元「大木代吉本店」を訪問し、被害の大きさと復興へ力強く取り組む様子をじかに感じることができました。

その後「福島空港」を訪問し、震災時に自衛隊や諸外国からの救援活動、支援物資搬入の拠点として大きな役割を果たしたことについて説明を受けました。また、福島県は2040年頃には、県内エネルギー需要の100%相当量を再生可能エネルギーで生み出すことを目標としており、一行は空港に隣接する福島空港メガソーラーを視察し、最先端のメガソーラー技術などについて解説を受けました。

宿泊地の郡山市では、内堀雅雄福島県知事が復興の現状と未来に向けた取り組みについて大使一行へ詳細な説明をされました。引き続いて、知事主催歓迎レセプションでは、県産食材を使用した料理や地酒が並び、郡山女子大学の学生によるハンドベル演奏が披露され、県内の行政・産業界を代表する方々と参加大使との間で意見交換が行われました。

 

福島空港 空港スタッフ一同による歓迎

福島県農業総合センター 質疑応答

 

2日目午前は「福島県農業総合センター」を視察し、農林水産物への放射能の影響を徹底して測定し、影響を受けた農林水産物が絶対に市場に出回らない福島県の強固な取り組みが理解できました。ここでは質疑応答が大変活発に行われ、大使一行の関心がとても高いことが見受けられました。

午後は、津波によって町全体が甚大な被害を受けたいわき市薄磯地区を訪問し、建設が進められている「海岸堤防」について説明を受けました。堅牢な構造物と地区の復興施策全体の規模の大きさにあらためて震災被害が甚大であったことを認識しました。近接する塩谷埼灯台の下で、大使一行は震災の犠牲者に黙とうを捧げ、当地の力強い復興を祈りました。

 

海岸堤防 復興事業の説明

海星高校 大使一行との「じゃんがら」

 

「福島県立いわき海星高等学校」では、学校が受けた津波による被害と復興状況について説明を受け、一瞬で日常生活を奪われてしまった同校生徒をはじめとした関係者の辛い経験に思いをはせつつ復興への期待と決意を肌で感じる場となりました。生徒の方々によって、江戸時代からこの地で引き継がれてきた“じゃんがら念仏踊り”が披露され、大使一行も踊りの輪の中に加わり、高校生との交流が行われました。

 

当協会は、ツアーの円滑な進行に寄与するため、準備段階から外務省儀典官室と連携して、昼食メニューの調整・翻訳、当日の添乗など、駐日外交団の対日理解と地方との交流促進に貢献しました。

 

 

参加国:駐日各国大使夫妻等13カ国20名

クウェート、フィリピン、南アフリカ、シンガポール、ウルグアイ、ガーナ、ザンビア、ルワンダ、欧州連合の各大使およびスロベニア次期大使、レバノン、ナイジェリアの各臨時代理大使、スイス次席 (プロトコール順)