駐日各国大使館員盆栽体験ツアーを開催しました

2017年4月1日(土)、駐日の各国大使・外交官・家族等32名(19カ国+EU)を盆栽の聖地として知られる埼玉県さいたま市盆栽町にお連れし、盆栽鑑賞および体験をしていただきました。このツアーは、盆栽家山田香織さんおよびさいたま市大宮盆栽美術館の協力を得て国際交流サービス協会が実施したものです。

盆栽家山田香織さん さいたま市大宮盆栽美術館の盆栽庭園を見学

 

 一行はまず、世界で初めて公立の盆栽美術館として2010年に開館した「さいたま市大宮盆栽美術館」を訪れ、林進一郎学芸員の説明を聞きながら日本を代表する盆栽の数々を鑑賞しました。庭園には40を超えるさまざまな盆栽が展示されている中、人気ナンバーワンという五葉松の盆栽を例に、盆栽は正面から屈んで大木を見上げるように鑑賞するということを学びました。この盆栽は鉢から龍が飛び出すような姿をしているため「青龍」という銘が付けられ、樹齢は350年だと聞いて参加者はとても驚いていました。

 屋内のギャラリーには、五葉松(山奥の傾斜面等の過酷な環境に自生しているマツ科の常緑高木)等芸術的で美しい盆栽が飾られていて、その「盆栽」と植木鉢としての「盆器」、「水石すいせき」との調和が非常に重要であるとの説明から、参加者は日本の伝統芸術の奥深さ感じている様子でした。

 山田香織さんの説明に耳を傾ける参加者  見本の旭山桜の盆栽を見ながらイメージを膨らませる

 

 鑑賞の後は、美術館の2階で、盆栽制作を行いました。講師は、盆栽町「清香園」の五代目で彩花流盆栽家元の山田香織先生に務めていただきました。
 道具の紹介に始まり、植込みに使う土や化粧砂、水やりの方法などの説明を聞きながら、旭山桜の盆栽作りを楽しみました。そして、完成後には制作した盆栽をそれぞれ陶板の上に置き鑑賞しました。特に、自分が5センチメートルの大きさになったと想像して作品を見るように、という山田先生のアドバイスを受け、熱心に盆栽を鑑賞している参加者の姿が印象的でした。

 制作体験の後は山田先生の盆栽園「清香園」へ行き、樹齢数百年の逸品や小さな鉢に日本の原風景を描いてゆく清香園オリジナルの「彩花盆栽」等多彩な盆栽を鑑賞するとともに、肥料など必要な備品を購入しました。

笑顔溢れる参加者 清香園の様々な盆栽

 

 今回の体験から外交官の方々に、日本人が持つ繊細な技術と心を表現している盆栽の魅力が伝わったことと思います。
 2017年4月27日~30日には第8回世界盆栽大会がさいたま市にて開催され、世界中から盆栽の愛好家が集まります。参加した外交官の方には、世界大会のパンフレットも配布してご紹介しました。

 

 

 

さいたま市大宮盆栽美術館
〒331-0804 埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
TEL:048-780-2091
http://www.bonsai-art-museum.jp (日本語)
http://www.bonsai-art-museum.jp/en (英語)
https://www.facebook.com/OmiyaBonsaiArtMuseum (Facebook)

盆栽 清香園
〒331-0805 埼玉県さいたま市北区盆栽町268
TEL:048-663-3931
http://www.seikouen.cc (日本語)