駐日各国大使館員「酒蔵オンライン・ビデオツアー」

駐日各国大使館員「酒蔵オンライン・ビデオツアー」

 

2021年3月10日(水)から31日(水)までの期間で、駐日各国外交官および家族等を対象とするオンライン・ビデオツアー酒蔵「飯沼本家」を開催しました。このツアーは、新型コロナウイルス感染拡大により体験ツアーが開催できないため、事前に撮影した動画を希望する方に限定視聴用URLで配信したものです。

 

空から見た飯沼本家 左から杜氏の川口幸一氏、16代目当主の飯沼一喜氏、案内人

 訪れたのは千葉県酒々井しすいにある酒蔵「飯沼本家」。飯沼本家は300年の歴史を誇る名家で、江戸時代には徳川幕府とも深い関係にありました。
 今回、日本酒は単なる飲み物であるだけでなく、日本人の生活文化に深く関係し、あらゆる儀式、冠婚葬祭になくてはならない存在であることなども紹介しています。

 

 ツアー冒頭、飯沼本家16代目当主を務める飯沼一喜さんの歓迎の言葉を頂いた後、杜氏の川口幸一さんの説明を聞きながら、明治蔵、昭和蔵、平成蔵と進んで行きました。杜氏は酒造りにおける全ての複雑な作業を統括し、その蔵の酒の特色を保持するなど重要な役割を担う存在です。

明治蔵の内部 昭和蔵にある琺瑯の貯蔵タンク

 明治蔵は、約100年前に建てられた土壁木造の建物で歴史と趣を感じさせます。現在は試飲会やコンサートなどに使われています。
 昭和蔵は、1995年に建造され1990年頃まで使用していた蔵で、伝統的な琺瑯ほうろうの仕込みたるがあります。今は貯蔵タンクとして使用しています。
 平成蔵は、現在実際に酒造りを行っている建物になります。エントランスホールには、酒造りの工程を紹介しているパネルや、杉の木の樽をわらで包んだ酒樽、品評会で受賞したトロフィー等が所狭しと展示してあります。

平成蔵エントランスホールに飾られている展示品 ガウンと帽子をかぶり見学

 見学者は、衛生管理のためガウンと帽子をかぶり蔵の中に入ります。まず初めに、酒造りの重要な要素「水・米・技」の説明を受けます。米の外側40パーセントを削った酒米で作ると吟醸酒、50パーセント以上削ると大吟醸酒になることや、米の外側をより多く削ることにより雑味が少なく甘みが強くなる等、酒米についての話を聞くことができます。

連続蒸米機 麹室

 酒造りの基本を聞いた後、蒸米から放冷を行う「連続蒸米機」、酒造りの要で神聖な場所である「麹室こうじむろ」、酒母、もろみの醸造を行う「仕込蔵」、醪を圧搾し酒をしぼり出す「圧搾機」の工程を見学します。
 酒蔵内には神棚があり「松尾様」という神様がまつられ毎年仕込み前に全従業員がここに集まり、良い酒ができるようにと祈願するなど、興味深い話も聞くことができます。

仕込蔵 神棚

 見学の後は、新潟の古民家を移築し建てられた温もりのある家屋「まがり家」で、お酒や食品、雑貨等が購入できます。2階にはギャラリーがあり年に4回~5回企画展を開催しています。また、カフェも併設されているので、見学後、甘酒を飲んだり軽食を楽しむこともできます。

まがり家 1階ショッピングコーナー

 まがり家の軒先には、一際目を引く大きな杉玉が飾られていています。杉玉は伝統的に新酒が出来上がったことを知らせる目印です。
 飯沼本家では毎年11月初めに地元の有志の方が手伝い、緑の新しい杉玉が飾られます。酒の熟成と共に杉玉が茶色に変わっていくので、その色を見ながら好みの酒を見つけることができます。

2階ギャラリー 杉玉

 飯沼本家は酒々井の地で16代にわたり日本酒を造り続けてきました。時代により様々な取り組みが行われ今では外国人の愛好者も増えています。ぜひ酒蔵で実際に酒ができるところを見て、お好みの酒を見つけてみてはいかがでしょうか。
 


撮影協力:飯沼本家
〒285-0926千葉県印旛郡酒々井町馬橋106
TEL:043-496-1111

https://www.iinumahonke.co.jp//
 
撮影:アドワイヅ
http://www.adwise.co.jp/adwise/index.html